Ri.Night Ⅲ
────…
「コイツ等は一体……」
広場に着いた俺達は、バイク集団に見つからないよう生い茂る木々に身を隠し、遠目で奴等の様子を窺っていた。
バイク集団はバイクを道側の端の方へ停め、広場の中央へ歩いて行くと、そこで何やら話し始めた。
「アイツ等は何がしたいんだ?」
陽が不思議そうに首を傾げる。
「さあ?」
返事をした彼方も同じ様に首を傾げた。
コイツ等が不思議がるのも無理はない。
奴等は別に何をする訳でもなく、ただ広場の真ん中で喋っているだけなのだから。
……ん?待てよ?
もしかして──
「コイツ等も誰か待ってんのか?」
思い浮かんだ事をポロッと口に出すと、陽と彼方が顔を見合わせた。
十夜と壱は奴等をジッと見つめたまま何も言わない。
それはきっと、俺と同じ事を思っているからだろう。
コイツ等が待っているもの。
それは“アイツ”しかいない。
この時間、この場所。
いくらなんでもタイミングが良すぎる。
でも、もしそうだとしたら、コイツ等は凛音とどういう繋がりがあるんだ?
人の事は言えないが、コイツ等はどこからどう見てもガラがいいとは言えない。
俺等と出逢うまで普通の生活をしていたはずの凛音が、地元でコイツ等と関わっていたとは到底思えない。
じゃあ、何でコイツ等は凛音を知ってるんだ?