Ri.Night Ⅲ

────…


「コイツ等は一体……」



広場に着いた俺達は、バイク集団に見つからないよう生い茂る木々に身を隠し、遠目で奴等の様子を窺っていた。


バイク集団はバイクを道側の端の方へ停め、広場の中央へ歩いて行くと、そこで何やら話し始めた。



「アイツ等は何がしたいんだ?」


陽が不思議そうに首を傾げる。



「さあ?」


返事をした彼方も同じ様に首を傾げた。



コイツ等が不思議がるのも無理はない。


奴等は別に何をする訳でもなく、ただ広場の真ん中で喋っているだけなのだから。



……ん?待てよ?


もしかして──



「コイツ等も誰か待ってんのか?」



思い浮かんだ事をポロッと口に出すと、陽と彼方が顔を見合わせた。


十夜と壱は奴等をジッと見つめたまま何も言わない。


それはきっと、俺と同じ事を思っているからだろう。



コイツ等が待っているもの。


それは“アイツ”しかいない。



この時間、この場所。

いくらなんでもタイミングが良すぎる。



でも、もしそうだとしたら、コイツ等は凛音とどういう繋がりがあるんだ?


人の事は言えないが、コイツ等はどこからどう見てもガラがいいとは言えない。


俺等と出逢うまで普通の生活をしていたはずの凛音が、地元でコイツ等と関わっていたとは到底思えない。


じゃあ、何でコイツ等は凛音を知ってるんだ?

< 83 / 368 >

この作品をシェア

pagetop