Ri.Night Ⅲ

湧き上がる疑問を自分に問い掛けていると、集団の内の一人が輪から離れ、電話をし始めた。


その男は電話をし始めて数秒程経った時、集団に向かって“静かにしろ”とでも言うように手を上げる。


それを見た他の奴等は喋るのを止め、電話中の男の様子をジッと窺っているた。



何だ? その電話に何かあるのか?


そう感じさせる程、奴等の纏う雰囲気がガラリと変わった気がした。



……オイオイ。もしかして、これからここで喧嘩が始まるとか言わねぇよな?



「……おい、どういう事だよコレ……」



同じ事を感じ取ったのか、陽が奴等を見据えたまま信じられないとでもいうような表情でそう呟く。



「俺にも──」


「来た」


その言葉に直ぐ様壱の方へ視線を向けると、壱はもう奴等を見てはおらず、左方を見据えていた。


聞こえてきたのはバイクの音。


それは前方と後方、どちらからも聞こえていた。



どういう事だ?


そう思った時、奴等が全員左方を向いた。



それはまるで、そっちの方向から“誰か”が来るのを待っているかのようで。



まさか──


その言葉と共に瞬時に浮かんだのは“アイツ”の顔。



これは一体──?



そう心中で呟き、ギュッと拳を握りしめた時だった。



左方にある細道から、一台のバイクが凄い勢いで飛び出してきた。



いや、違う。


二台のバイクだ。


一台目のバイクが飛び出してきた後、直ぐに二台目のバイクも飛び出してきた。


その二台のバイクは飛び出してきたかと思うと、急ブレーキをかけて奴等の前に止まった。




ちょっと待て。二台?どういう事だ?


たった二人で奴等と戦う気なのか?



──いや、二人じゃない。


バイクの後ろに一人乗っている。


けど、それでもたった三人だ。


あの人数をたった三人で相手するのか?

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