Ri.Night Ⅲ


やっと大通りが見え、一番前を走っていた十夜が腰ぐらいまでの柵を飛び越えた。


俺逹も同様に飛び越える。


そして、凛音とあの男を探そうと振り向いた時、タイミング良く数十メートル先の出入口から男が飛び出してきた。


その姿を見た俺逹は直ぐ様その場から駆け出し、追い掛ける。


すると、俺逹に気付いたのか、こちらを振り向いた男は俺逹の姿を捉えた途瞬ニヤリと笑うと、そのまま逆方向へと走って行った。


アイツを逃がす訳にはいかない。


そう思って追いかけようとした時、男の後を追っていた凛音が出入口から飛び出してきた。


突然現れた凛音に思わず立ち止まる俺達。



「……っ!」



立ち止まった瞬間、突然突風が凛音を襲い、それによって凛音の髪の毛がふわりと舞い上がった。


露になった“男”の横顔。


その横顔は俺達がずっと探していた女。


“東條 凛音”だった。







「凛音」







「……え?」




十夜の呼び掛けにゆっくりと振り向く凛音。




──凛音、お前は何でこんな所に居るんだ?




-煌 side end-

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