Ri.Night Ⅲ
『見に、来てたの?』
『いや、見てたのは俺じゃない。凌(シノグ)だ』
『凌?』
凌があたしを見ていたの?
真紀さんの息子である凌。
その凌がなんで……?
『その日、たまたま真紀さんの所に行ってたらしい』
『……真紀さんの所へ?』
そう言えば凌言ってたっけ。真紀さんの仕事手伝ってるって。
『凌はその日、鳳皇が暴走する事を知っていた。もちろん俺達も』
『………』
『凌は丁度近くに来た事だしっていう軽い気持ちで鳳皇の暴走ルートを見に行ったらしい。そしたら、凛音が居た。───鳳皇総長が乗っている車に』
……鳳皇総長が乗っている車に。
『普通ならフルスモークで中は見えないけど、凛音は外に身体を出してた』
『……っ、』
『“箱乗り”、してただろう?』
『……うん』
そうだ。
あたしはあの日、煌と一緒に箱乗りをしてた。
アレを凌に見られてたなんて……。