レンタルな関係。【番外編】

 ああ、もしかして。

 あたしに愚痴らないぶん、ちまちまとパチンコでストレス発散してるんだな、祐二は。


「祐二」

「ん? また怒った?」

「いや…あんまり凝っちゃダメだよ、パチンコなんて」

「大丈夫。そのへんはちゃんと考えてますから」

「それにさ…」

「うん?」

「パチンコでストレス発散なんてしないでさ、」


 あたしみたいにさ、


「愚痴っていいよ、あたしにも。仕事のこととかさ。色々あるんでしょ、あんたも一応社会人だし」

「麻紀?」

「いいよ、愚痴っても。聞いてあげるから」

「……麻紀」


 あたしばっかり祐二に文句言ったり愚痴ってたりしてたんだよね。

 今更、ちょっと反省。


「あのさ、」


 祐二の手が頭に伸びてきて、


「麻紀はそんなこと考えなくてい~の」


 くしゃっと撫でられた。


「祐二?」

「オトコは働いてなんぼ、なの」

「え?」

「オンナに愚痴ってるようじゃ、ダメなんだよ」

「…そなの?」

「そなの」


 よく分かんないけど…


「まあ、他のヤツがどうかは分かんないけどさ、」

「うん」

「オレは、麻紀がココにいてくれればそれが癒しになってるから」

「……」

「自分のバランスは、自分で取れるし」


 なんだ?

 
 祐二…

 ちょっと…

 
 カッコいいぞ??





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