レンタルな関係。【番外編】
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「じゃ、ここで坂道発進の練習にしましょう」

「はい!」

「吉沢さん、落ち着いてくださいね」

「はい!」


 何とか仮免を取った私。

 今日は路上に出て走りました!


 教習所内でもなかなか旨くいかなかった坂道発進。

 そのときの教官も、今となりに乗ってくれてるこの人で。


「旨くできるように、もう一回ちゃんと練習しておきましょう」


 ってなことで、交通量の少ないこの坂道に停車しました。


「じゃ、やってみましょうか」

「はい!」


 よ、よし…

 半クラからゆっくりと…

 サイドブレーキを戻しながら…



 ガゴゴ…

 ブン…



「あ゛あ゛っ! 何で止まるのっ」

「…吉沢さん、ギアが3速のままですよ。それじゃ普通の発進だって無理ですよ」

「あ゛」


 そうだった…

 ブレーキかけてそのままでした…


「す、すみません」

「じゃ、もう一度いきましょうか」

「はいっ」


 ええっと、ギアを戻して1速に…と…

 半クラから…

 サイドブレーキを…



 ブイーーンッ!!!!


 ガゴンッ!!



「ぎゃーーーっ!!」


 急発進をした車は1メートルほど進んで急停止。


「勢いが良いのはいいんですけどね、吉沢さん。こういう時は慎重にいきましょうね。アクセルを徐々に踏み込みながらゆっくりサイドブレーキを下ろして」

「は、はい…すみません」

「このままじゃ山道は走れませんよ」

「はっ! それは困りますっ!」


 山道に行けないなんて。

 私の計画がパアになっちゃうっ。


「山っ! 行かせてくださいっ!」

「…頑張りましょうね」

「はいっ。もう一回やりますっ」

「…まずは落ち着いてくださいね」


 それから何度か練習させてもらって。


「はい、なんとか大丈夫でしょう。教習所に戻りましょう」

「は…はひぃ…」


 今日のぶん、なんとかクリアできました。

 

 
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