レンタルな関係。【番外編】
チェックインにはまだ早かったけど、
本日最初の私のお客様が到着した。
「いらっしゃいませ。ようこそおいでくださいました」
あ。
若いカップルさんたちだ。
背の高い男の人と女の人。
ちょっと小柄な女の人と、陽気そうな男の人。
う~んと、どういう組み合わせだろ?
雰囲気的に…背の高い男の人と女の人かな。
わ~…美男美女って感じ。
あれ?
カエルさんもいる。
おっきいなぁ…
荷物を預かって、周辺の観光をおススメしたところで、
「その、カエルさんはどうしますか?」
聞いてみた。
「あ、ああ、これはいいです」
小柄な女の人が答えると、
「置いてかれると泣くんですよ」
大きいほうの女の人。
えええっ!?
ホントに!?
こういう大きいぬいぐるみになると、そんなこともあるんだぁ。
知らなかったぁ。
「今日もついていくって暴れて泣いて。大変だったんですよ」
「ええええ…」
「車酔いするし」
「そ、そうなんですか? お薬いりますか?」
「さっき飲ませたから大丈夫です」
車酔いかぁ。
私もすぐに酔っちゃうから、その辛さ、良くわかる。
カエルさん、ここまでの道、かなりキツかっただろうなぁ。
すごい山奥だし。
なんだか、背の高い男の人の肩の上でグッタリしてるし…
辛そう…
顔は笑ってるみたいだけど。