レンタルな関係。【番外編】
「と、とにかく落ち着いてくださいっ」
青山さんもおかみさんも必死でお願いしてるけど、
彼女さんの耳には全く届いてないみたい。
「まったく。しょうがねーな」
背の高い男の人の助けが入って、
何とか引き剥がされた白目彼女さん。
(助かったぁ)
カエルさんを抱いた小柄な女の人もほっとした様子で。
(この人と、この男の人の組み合わせなんだぁ。そっかぁ。見た目じゃわかんないんだなぁ)
なんて感心して。
麻紀さんという彼女さんとその彼氏さん、
背の高い彼氏さんの背中を押しながら、
「あは、あはは…いってきまぁす」
カエルを抱えてペコペコ頭を下げる小柄な彼女さん。
(カワイイ人)
「いってらっしゃいませー」
観光に行く4人とカエルさんを見送ってから、
私は、
410号室に美人の彼女さん…麻紀さんと、陽気な彼氏さんの荷物、
411号室に小柄な彼女さんと、背の高い…カッコいい彼氏さんの荷物を運んだ。