レンタルな関係。【番外編】
お客様の名前を帳簿でチェックして。
「え~と。早坂麻紀さん、吉沢唯衣さん、佐竹祐二さん、流川直人さん…っと」
インプット完了。
お客様の名前はちゃんと覚えておかないとね。
「おかえりなさい」
4人のお客様とカエルさんが帰ってきて、出迎えると、
陽気な男の人と目があって。
(ま、マズイ…)
焦ってちらりと麻紀さんのほうをみると、
流川さんの身長で死角になっていて。
ふう…良かった。
またここで大騒ぎになったら大変。
お部屋の前まで案内して、一応確認することに。
「あの……お客様とお客様、」
麻紀さんと、祐二さん、
「お客様とお客様、で宜しかったでしょうか」
流川さんと、唯衣さん、あと、カエルさん。
…で、大丈夫ですよね?
「なんで?! 麻紀と私じゃないの?!」
大声をあげた唯衣さん。
ええええ…
間違えちゃった?
「だっ、でもっ! アパートと旅館の差って、おっきいでしょ?!」
「たいして変わんないって」
「変わるって!」
なんだか、意味不明の会話が続いていて。
おろおろするしかなくって。
(どうしよぉ…青山さ~ん…)
困っていると。
「じゃ、俺とコイツで。部屋、どっち?」
流川さんの助けが入った。
「あ、ああ、お二人はこちらです」
カッコいいなぁ…
さっきも麻紀さんの引き剥がしに貢献してくれたもんなぁ。
「ぎゃ、ば、ちょ、ちょっと」
「じたばたすんな」
「だ、ちょ、まっ、て」
「意味不明だ、その言葉」
「ま、麻紀! 助けてぇ!」
………。
引きずられるようにして、絶叫しながら入っていく唯衣さん。
う~ん。
お付き合いしてるんじゃないのかな?
いろんなカップルがいるんだなぁ。