レンタルな関係。【番外編】

「今日はいいお天気で良かったですねー」


 流川さんと唯衣さんのお部屋でお茶を淹れながら声をかけるけれど。


「……」

「……」


 お2人とも無言で。


(あああ…やっぱり荷物間違っちゃったのかなぁ…)


 どうしよう…

 何か、話題…


 あ、そうだ。


「あ、あの…そのカエルさん、車酔い、大丈夫でしたか?」


 笑いながら唯衣さんの隣りに座るカエルさんは、

 このハリ詰めた状況にも動じてない。

 でも、私には返事してくれないなぁ。


「カエルさん、皆さんの前でだけ動くんですかねぇ…私には全然反応してくれませんねぇ」


 

「……フ…」

「…ぶっ」



 え?



「ぶぶぶぶーっ!」



 ええええ…

 彼女さん、すごい勢いで転がりはじめちゃった…



「カエルさんはお茶飲まれますかねぇ?」


 聞くと。



「「ぶぶぶーーっ!!」」



 流川さんも一緒に転げてしまって。


 ええええ…

 何か言ったかな、私。


 でも、

 笑ってくれて良かったぁ。


 せっかくの旅行なんだろうし、

 楽しんで帰ってもらいたいもんね。




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