レンタルな関係。【番外編】
出かけるにしても出て行くにしても――
…何てこと言っちまったからな。
まあ、そのほうが気楽か。
どうもまだ、実感が沸かない。
あのカエルオンナが要の彼女だったなんてな。
『だっ、がっ、る、流川…直…人…さん!』
………。
「…ぶ」
何でフルネームなんだよ。
想像以上におもしれーオンナかもしれねぇな。
飲み干してしまったボトルを捨てようとゴミ箱へ目をやると、
「…なんだこれ」
グルグルと丸められたガムテープのかたまりがへばり付くように捨てられていた。
「アイツか?」
一体、何に使ったんだよ、
こんなに大量のガムテープ。
荷造りでもしたか?
首をひねりながらバスルームへむかう。
「……」
何だ、このドアのネットリ感。
いや、粘着感。
………。
「このガムテープと何かつながりがあるみてぇだな」
そこまで警戒する必要ねぇだろーに。