レンタルな関係。【番外編】

「パチンコばっかりやって! あたしの注文も忘れて! バカ祐二!!」

「ごめんってばよ~~。明日必ず買ってくるからさ。な? そんなに怒んなって」

「もう知らないっ!!」

「うえっ!!!」


 あたしは傍にあった目覚まし時計を祐二めがけて投げつけた。

 祐二に当たってから床にバウンドした時計は、角が欠けた。

 
「いででで…なにすんだよ。あ~~もう、壊れちゃったじゃん、時計」

「いいよそんなもんっ。それだってあんたがパチンコで取ってきたヤツじゃん。全部壊れちゃえばいいのよ、あんたがパチンコ屋で取ってきたものなんてっ」

「そんなこと言ったら、この部屋の中のものほとんど壊れるぞ」


 …確かに。

 どんだけパチ仕様なんだ、この部屋は。


「もういいっ! 寝るっ!」

「麻紀、機嫌直せってばよ」

「うるさい!」


 出てってやろうかと思ったけど、ここはあたしの部屋だし。行き先ないし。

 顔の見えないバスルームに入ったついでにシャワーを浴びて。


「麻紀、ホントごめん」


 シャワーが終わったあたしに頭を下げてた祐二だったけど。


「ふんっ」


 あたしは速攻でベッドに入って、ひたすら祐二をシカトした。



『自由だーーーーっ!!』



 …………。



 テレビの中で叫ぶ声がむなしかった。




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