レンタルな関係。【番外編】

 夕飯をテーブルに並べると。


「いただきま~す」


 早速ガツガツ食べ始めた祐二。


「ちょっと。落ち着いて食べなって」

「うんうん」

「ケーキもあるんだからね。あんまり食べると入らなくなるよ」

「うん。あっ、そうだ!」


 箸をパチンっとテーブルに置いた祐二は、

 持ち帰ってきた紙袋に手を突っ込んで、


「じゃ~~ん! じゃりんこ~~! の、サラダ味~~」


 じゃがりんこを取り出した。

 しかも、6つ。


「買ってきてくれたんだ」

「約束したろ~。買ってくるって。あ、メモ読んだ?」

「読んだ。間違ってたよ。じゃがりんぐ、とか書いてあったし。どんなの買ってくるのか心配してたけど」

「これでいいんだよな?」

「うん。ありがと」

「おお~~麻紀から“ありがと”いただきましたっ! 久しぶり! オレ快挙!」

「大袈裟だって」


 …でもないか。

 あたし最近、祐二に「ありがと」なんて言ってないもんな、そういえば。

 言う機会がないってことなんだけど。


 それでも。

 もうちょっと、

 感謝の気持ちを持ってあげてもいいかもね。

 うん。


 あたしの愚痴、聞いてもらえなくなったら困るしさ。





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