鏡花水月◌˳⚛˚

普段は怒らない父だが、今日ばかりはこっぴどく怒られるだろうと思った。
だが、面倒臭そうに顔をしかめるだけで、風呂場へと向かって行った。なんで、と疑問に思った。なんで叱らないの？と。悪い事をすれば叱ってくれる。父親は、母とは違う。今まで叱られたことは無いけれど、それは私が間違ったことをしていなかったからだ。きっと、間違いは正してくれる。そう思っていたのに。やはり、親はこういうものなのか。がっかりした。無理なことに挑戦をさせ、失敗しても経験よ、と言いつつ本当に失敗すれば周りの責任にする。私は親に期待することを諦めた。

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