鏡花水月◌˳⚛˚
受験勉強。公立。最上位合格。A判定。特待。推薦。
この6つで脳内は埋め尽くされている。中学受験で通らなかった“修央館”の高等部へ絶対に合格しなければならない。誰に言われた訳でも無いが、そういう使命感に駆られている。今、3年生になってまで不合格を咎めてくる頭の悪い奴がいる。そいつらを見返す為に。そして、母親を見返す為に。母親とは、『塾に行かせて』と言った1年生の夏以降、全く会話をしていない。まあ、私が反応をしないだけだで母親は『次は必ず受かるから』『ママ、千里が受かったらご褒美沢山買っちゃう。だから、頑張ろう。ね?』と喋りかけてくる。いつかのように、皿を割りたくなる程勘に触ることは無くなったが、まだ『ね?』という語尾にはイライラする。