せめて夜が明けるまで
せめて夜が明けるまで
なんでなんだろう。
私のまわりには静かに涙を流す人、すすり泣く人、隣の友達にすがって泣く人でいっぱいだった。
「どうして…どうして死んじゃったの朝日…!」
その場に崩れ落ちそうになった朝日のお母さんを、朝日のお父さんが支える。
「まだ24歳だったのにな…これからだったのに…」
飾ってある朝日の遺影は笑っていた。
いつものあの笑顔で。
朝日…
朝日は本当にもう、この世にいないのかな。
いつもみたいにあの笑顔で、私の名前を呼んでくれることはもうないのかな。
ああ…
本当に悲しいときって涙も出ないのね。
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