【短編】君だけを愛したい
「それは、内緒です♪」
首を傾げてニコーッと笑う崎村は、本当に何を考えてるかわかんねー…
だけど……
それを見た瞬間、“可愛い”なんて思ってしまったオレが一番わかんねーよ。
「じゃあ、よかったら食べてくださいね?寝てたのに起こしちゃって、ゴメンナサイ」
立ち上がって、屋上を出て行こうとする崎村を眺めながら、なんでか胸の辺りがモヤモヤして気持ち悪い。
何だよ、これ……?
もしかして、アイツが原因?
……なわけねーよなー…
「オイ、崎村……っ!!」
気付いた時には、そう叫んでしまっていて。
叫んだ当人のオレは、挙動不審。
呼ばれた崎村は、驚いた顔をしながらもオレの許へ戻ってきた。