【短編】君だけを愛したい
「お、おいしい……?」
一応、誘ったからには食べないといけないよな……と思い、サンドウィッチを口に運んでいると。
不安げにオレを見つめて、心配そうに聞いてくる崎村がいて。
「……まぁまぁ、じゃね?」
意地悪く言ってやると、ムーッと不機嫌そうな顔になって黙ってしまった。
言い過ぎたか……?
いつも、崎村から一方的に話し掛けられることに慣れていて、この沈黙が妙に落ち着かない。
何かしら、フォローを入れるべきなのか……?
黙々と、サンドウィッチを口へ運びながら考えていたら。
「ねぇ、渉ちゃん!ケータイのアドレス、教えて?」
さっきまでのだんまりや不機嫌さは、ドコへやら……
崎村は、ニコーッと笑顔を浮かべてオレを見上げていた。