【短編】君だけを愛したい



「お、おいしい……?」



一応、誘ったからには食べないといけないよな……と思い、サンドウィッチを口に運んでいると。


不安げにオレを見つめて、心配そうに聞いてくる崎村がいて。



「……まぁまぁ、じゃね?」



意地悪く言ってやると、ムーッと不機嫌そうな顔になって黙ってしまった。


言い過ぎたか……?


いつも、崎村から一方的に話し掛けられることに慣れていて、この沈黙が妙に落ち着かない。


何かしら、フォローを入れるべきなのか……?


黙々と、サンドウィッチを口へ運びながら考えていたら。



「ねぇ、渉ちゃん!ケータイのアドレス、教えて?」



さっきまでのだんまりや不機嫌さは、ドコへやら……


崎村は、ニコーッと笑顔を浮かべてオレを見上げていた。



< 15 / 41 >

この作品をシェア

pagetop