【短編】君だけを愛したい
「……オレだって、笑うに決まってんだろ?」
「だって!!渉ちゃん、私にはいっつも冷たい態度だしっ!!」
「あー…、そういやそうだな……?」
……崎村にはいつも、出来る限り冷たい態度を取ってたんだった。
何か、今日は調子狂わされてんなー…
「でも、嬉しいっ♪渉ちゃんの笑顔見れるなんて、今日はツイテるかも!!」
スッゲー嬉しそうに話すから……
だから、少しだけ優しくしてやるかなって……思ったんだ。
「崎村……、ケータイは?」
「へっ…!?」
「しょーがねーから、教えてやるよ!……サンドウィッチのお礼にな?」
ケータイをチラつかせフッと笑って見せれば、崎村はみるみるうちに顔を赤くして俯いてしまった。