【短編】君だけを愛したい
教室に入る頃には、学年の違う崎村から逃れることが出来ていて。
オレは窓際真後ろの自分の席に座ると、机に突っ伏した。
朝っぱらから、眠たい上に崎村の対応は疲れる……
「オーッス!今日も、大胆な告白だったなー」
頭上から聞こえた明るすぎる声に、眼鏡をズリ上げながら顔を上げると。
そこには、朝っぱらから眩しいくらいに爽やかな笑顔を振り撒く、ツレの和樹。
「……オス。見てたのかよ……」
盛大な溜め息を吐きながら、思いっきり顔を歪めたオレ。
オレの前の席に座って振り返った和樹が苦笑しながら、
「校門前であんなに派手に告白されてれば、イヤでも目に入るって!
真希ちゃん可愛いのに、お前もったいねーことしてるよなー…」
なんて言うから、更に目尻がピクピクと引きつってしまう。