【短編】君だけを愛したい


教室に入る頃には、学年の違う崎村から逃れることが出来ていて。


オレは窓際真後ろの自分の席に座ると、机に突っ伏した。


朝っぱらから、眠たい上に崎村の対応は疲れる……



「オーッス!今日も、大胆な告白だったなー」



頭上から聞こえた明るすぎる声に、眼鏡をズリ上げながら顔を上げると。


そこには、朝っぱらから眩しいくらいに爽やかな笑顔を振り撒く、ツレの和樹。



「……オス。見てたのかよ……」



盛大な溜め息を吐きながら、思いっきり顔を歪めたオレ。


オレの前の席に座って振り返った和樹が苦笑しながら、



「校門前であんなに派手に告白されてれば、イヤでも目に入るって!

真希ちゃん可愛いのに、お前もったいねーことしてるよなー…」



なんて言うから、更に目尻がピクピクと引きつってしまう。



< 6 / 41 >

この作品をシェア

pagetop