【短編】君だけを愛したい
「そう言うんなら、お前が付き合ってやってくれ」
手をヒラヒラと振りながら、机に倒れ込むようにして頭をもたれさせた。
そうだよ……
よっぽど、和樹の方が顔イイんだし。
オレじゃなくても、全然いいんじゃん?
和樹の言う通り、崎村は可愛い部類だと思うし……“イケメン”とかいうのがつりあうんだろ?
まぁ、オレだったら“黙ってたら”っていう言葉も付け足さないと、可愛いなんて言ってやんねーけど。
「んなこと言ったって、真希ちゃんが好きなのはお前なんだろー?
いい加減、ちゃんと構ってやんないと可哀想じゃね?」
「……それじゃあ、今までアイツが好きになった男と、たいして変わんねーじゃん?」
ゆっくりと体を起こすと、目の前の和樹は苦笑いしている。