Airis 2
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「………帰ったよ」
大地と優苗さんが愛永ちゃんを連れて帰り、俺もようやく帰宅。
うっすらと灯りのついている家の中に声をかけると、少しの間があって「おかえり」と返ってきた。
「………遅かったね」
「そう?まあ急に患者が増えたから」
ソファに毛布を掛けて寝転びながらテレビを見ているその姿は、動物園のナマケモノにそっくりだ。
というのを前本人に言ったところ、
二週間程度口をきいてもらえなくなったのでそれ以来一度も言っていない。
「何してたの、今日一日」
「………湊について考えてた」
「…奈央」
「嘘、午前中は病院行ってた」