Airis 2
優苗side
「沙衣ちゃん………そこ間違ってる」
「あ、ほんとだ」
「そっちも。ヘタは取るんだよ」
「え、下手……やっぱりわたしには無理なんだ」
人参片手に肩を下げる沙衣ちゃんに、
そう簡単に大丈夫なんて言える状況でもない。
真鍋先生からのお願いで、沙衣ちゃんに料理を教えて欲しいとのこと。
わたしも沙衣ちゃんに会いたかったから、一つ返事で了解したんだけど。
「沙衣ちゃんってほんとに今まで料理したことないんだね」
「え、ありますけど……」
「何作ったの?」
「◯◯カレーとか」
レトルトカレーの商品名………
それが料理といえるのなら、
世の中料理が出来ない人なんて存在しないと思う。