Airis 2





「………お、……奈央」




奈央、と呼ぶ声が上からして目を開けると湊の顔が覗き込んでいた。


湊がしてくれたのだろう。

カーテンが閉められて明かりがつけてある。



「ごめん、だいぶ遅くなったな」



「ん………大丈夫」



返事をすると同時に、頭痛が全く和らいでいないことに気づく。

基本寝ていれば治るのに。


寝方が悪かったのか、むしろ夕方よりも酷くなっている。



「……頭?」



顔をしかめてしまったのか、湊が少し心配そうに聞いてきた。

普段はかなりクールな方だけど、わたしが体調を崩したりすると途端に心配性になる。

ここ数年は尚更だ。






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