Airis 2
「や、大したことないから」
「でも……」
「ほんとに、大丈夫だから」
ここでしつこく無いのも湊の良いところ。
聞かれたら嫌だ、と思うことを無理やり聞き出されたことが今まで一度もない。
「ごめん、何も用意してないや」
「……いつもの事だろ?」
そう笑って湊が掲げたのは近所スーパーのビニール袋。
お惣菜が何種類か入っている。
「そうでした………ありがと」
「いーえ」
食べるか、と言ってテーブルにお惣菜を並べはじめる。