Airis 2
「お昼にうどん……」
……を食べようと思っていた。
「朝は?」
「起きたの遅かったから」
となんとか誤魔化した。
止まっていた箸をもう一度動かす。
から揚げが食べたかったはずなのに、から揚げの手前で箸が止まっていた。
サクッと衣が口の中で割れて、肉汁が溢れる。
美味しい。
から揚げは昔から大好きだ。
小学生の頃からお弁当にはいつもいれてもらっていた。
湊がじーっと見つめてくる。
「……なに?」
「いや、奈央ってから揚げはよく食うよなぁと思って」