Airis 2
「……だって美味しいから」
笑っている湊がなんだか馬鹿にしているようで悔しくて。
つい思い切り口の中に押し込んでしまった。
「ゴホッ……」
「お前……一気に詰めすぎだって」
更に笑いながらお水を差し出してきた。
本当は断りたいけど、苦しいから素直に受け取る。
水を流し込むとなんとか飲み込めた。
……恥ずかしい。
だけどニコニコしている湊を見ているとそんな気持ちも薄れてきて。
やっぱり湊が好きだなあ、と実感する。
そのちょっと赤っぽい髪の毛と、笑ったときのくしゃっとした笑顔。
それに少しだけハスキーな声。
そうだ。
わたしは湊の全部に惚れていたんだった。
昔の気持ちが一気に押し寄せてきた。