Airis 2
「ただいまー」
帰り際に愛永を迎えに行って家に帰ると、
思った通り家の中は薄暗かった。
カーテンが開いたままなのを見ると、
おそらく一日中寝ていたのだろう。
「まな、ちょっと待っててな」
「うー」
愛永をカーペットに座らせて、
そっと寝室のドアを開けるとスーッと寝息が聞こえてきた。
寝るには寝れているらしい。
腕時計を見ると夜の8時を過ぎている。
そろそろ起こしたほうがいいかもしれない。
「……優苗」
そっと前髪をかき上げて額に手をあてる。
………まだ熱い。
それでも起きない優苗をポンポンと軽く叩くと、もぞもぞと動いた。