Airis 2





このままだと誰か入ってきてびっくりしてしまうだろう。

それはダメだ、と思ったのも束の間。


またビーッと音を鳴らしながら扉が開いた。




「え…」



顔は上げられないけど、明らかに戸惑った声が狭いエレベーターの中に響いた。





「……湊、この子」




「ん?………奈央、ちょっとよけて」




そんな会話が聞こえてきたと思ったら、そっと瞼に手の平があてられて近くから声がした。




「すいません、ちょっと持ち上げますねー……目、瞑っててください」




そしてそっと体が浮いた。






< 157 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop