Airis 2
このままだと誰か入ってきてびっくりしてしまうだろう。
それはダメだ、と思ったのも束の間。
またビーッと音を鳴らしながら扉が開いた。
「え…」
顔は上げられないけど、明らかに戸惑った声が狭いエレベーターの中に響いた。
「……湊、この子」
「ん?………奈央、ちょっとよけて」
そんな会話が聞こえてきたと思ったら、そっと瞼に手の平があてられて近くから声がした。
「すいません、ちょっと持ち上げますねー……目、瞑っててください」
そしてそっと体が浮いた。