Airis 2





何がなんだかよく分からなかったけど、しばらくしてそっと降ろされた。

どうやら少し離れたところにあるソファのようだ。


貧血はまだ収まってくれず、頭がぐるんぐるんと揺れているようだ。




「………長いな」




ボソッとそう呟く声が聞こえて、少しだけ目を開いた。





「あの……薬…切れてて」




「ん?あ、薬……もしかして病院通ってたりする?」




はい、と言おうとしたけど頭の揺れで気分が悪くなって口を押さえてしまった。




「あー……病院行ったがいいかもしれない」




背中をさすってくれながら、後ろにいる女の人を呼んだ。




「奈央、車まわせる?」




「うん、いいけど……大丈夫?その子」




「大丈夫、ってわけじゃないけど連れて行った方がいいだろうし」







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