Airis 2





「俺、朝言ったよね?」



「………」



部外者である俺は少し離れてそっとふたりを見守った。



「顔色悪いから今日は家にいな、って」



普段は比較的穏やかな真鍋。
それだけ沙衣ちゃんのことを心配しているということだ。




「だいたいさ、最近貧血が多いことに俺が気付いていないとでも思ってたの?

検診に行ってないことは大地から聞いてるし、薬も切れてるんだろうなーとは思ってたけど。
家で立ってるとき、しょっちゅうテーブルやら壁やらに手あててるから分かってんの。

それでもしつこく言わなかったのは沙衣に自分から動いて欲しいから。


さすがに今朝はちょっと口出したけど……」




そこまで一気にまくしたてると、はぁ、と溜め息をついた。




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