Airis 2

沙衣side






「ねえ」



「……」



病院からの帰り道。
運転席からタケルが呼んでくるのはきこえていたけど、じっと窓の外を見ていた。



「沙衣ってば」



「……なに」



「何か食べに行く?」



「いらない」



子供じゃないんだから、って自分でも思うけどどうしてもスッキリしない。



「ねえ」



今度はわたしがタケルを呼んだ。



「なんでそんなにいっぱい禁止されなきゃいけないの?」



「大地が言ってたでしょ」





< 175 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop