Airis 2
タケルは悪くない、って分かっているのに目の前のタケルを叩いてしまった。
それでもタケルは怒らずに受け止めてくれている。
「……ちゃんと元通りになるんだよね?」
「ん、薬飲んで大地の言うこと聞いて。そしたら落ち着くから」
「……タケルと旅行もいける?」
「当たり前」
「そっか…」
思う存分タケルを叩いたら少しだけ。
ほんの少しだけスッキリした。
体が思い通りにならないのは悔しいし、悲しいけど。
頑張って治療するしかないのは理解できるから。
「タケル…」
「うん」
「……好き」
叩いたお詫びにそう言ってギュッと抱きついてみると、タケルの顔が真っ赤になった。