Airis 2




「あ、今日はお着替え持ってきてって書いてあった」



「着替え……これでいい?」



昨日ベランダから取り込んでそのままソファーに置きっ放しだった洗濯物の中から、愛永の服を取り出した。

畳んでなかったことにちょっと申し訳なくなりながら頷く。



「ごめんね……部屋汚くて…」



「別にいつもこの状態なわけじゃないんだし気にしないの」



たまに思う。
いや、しょっちゅう思う。


わたしってこんな旦那さんもてて幸せ者だなぁ、って。

だからこそできるときはしっかりとした奥さんをしたい。



「今日早く帰れるから、綺麗にしとくね」



「ん、ありがと」



よいしょ、と愛永を抱き上げる大地の足元から荷物を取った。



「あ、ごめん」



「ううん、荷物くらいわたし持つから」



そのくらいなら大丈夫だ。







< 185 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop