Airis 2
「あ、今日はお着替え持ってきてって書いてあった」
「着替え……これでいい?」
昨日ベランダから取り込んでそのままソファーに置きっ放しだった洗濯物の中から、愛永の服を取り出した。
畳んでなかったことにちょっと申し訳なくなりながら頷く。
「ごめんね……部屋汚くて…」
「別にいつもこの状態なわけじゃないんだし気にしないの」
たまに思う。
いや、しょっちゅう思う。
わたしってこんな旦那さんもてて幸せ者だなぁ、って。
だからこそできるときはしっかりとした奥さんをしたい。
「今日早く帰れるから、綺麗にしとくね」
「ん、ありがと」
よいしょ、と愛永を抱き上げる大地の足元から荷物を取った。
「あ、ごめん」
「ううん、荷物くらいわたし持つから」
そのくらいなら大丈夫だ。