Airis 2




院内に入ると、もう連絡がいっていたのか真鍋先生が待っていた。



「歩けるくらいは大丈夫なの?」



「だからもう治った…」



「優苗」



横から大地が少し強めの声でわたしの名前を呼んだ。



「今日の2時ごろ発作、割と長かったからちょっと心配ってとこかな」



ふてくされているわたしに代わって大地が真鍋先生に説明する。



「とりあえず音、聞かせて」



聴診器を手で温めながらわたしに近づく。

自ら服を捲ろうとしないわたしを見かねて、後ろから大地が手伝う。



「……よくこれで治ったなんて言えたもんだね」



呆れた口調でそう呟いた。









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