Airis 2
「だって……」
「まあ入院とかそこまではないかな。とりあえず今から吸入して」
「でも仕事…」
「吸入後30分経ってから」
仕事を理由に逃げようと思ったけど無理だった。
「優苗、仕事を優先して体壊しても意味ない。医者ならなおさら」
そんなのは分かり切ってる。
だけどそれでも上手くいかない自分の体に嫌気がさした。
「泣くなよ、俺だって泣かせたくて言ってんじゃないよ」
それもわかってる。
真鍋先生が真剣に考えてることだって。
大地が心配してくれてることだって。