Airis 2
「ほんと、発作ひどくなるから泣かないで、ね?」
後ろからそっと大地が背中をさすってくれるのがわかった。
「大地、いいよ仕事行って。あんま時間ないだろ?」
「ん、ごめん。優苗頼んだ」
最後にわたしの頭をポンポン、と叩いて診察室を出た。
「じゃ、吸入しようか」
そんなこと言いながらも、もう用意をしている。
「辛いと思うけど、優苗のためだから」
その言葉にこくっと頷いた。
わかってるからこそ辛い。
だけどそれでもなんとかやっていくしかないのだと、もう一度再確認した。