Airis 2
「沙衣ちゃんが決めたことだから尊重するけど………辞めて心が病んでしまったら元も子もないよ」
「いや、わたし心は強いので大丈夫です」
「いや………まあそうだね」
大地くんは何か言いたそうにしていたが、そこで一旦終わりになった。
と、回転椅子に座った大地くんがスッと寄ってきた。
「じゃ、診察始めようか」
「う……」
「ん、どうかした?」
優しそうにそう聞いてくるけど、
その顔は全然優しそうではない。
少なくともわたしにはそう見えない。