Airis 2
「また、いっぱい買って…」
お義母さんと愛永が戻って来たのを見て大地が苦笑した。
ほんと、たくさん買い物袋がぶら下がっている。
「まな、おいで」
大地がお義母さんから愛永を受け取り、わたしが買い物袋を受け取った。
「じゃあわたしはそろそろ帰ろうかしら、電車の時間もあるし」
時計を見てお義母さんがつぶやく。
「あ、家まで送るよ」
「いいわよ、わたしも歩かないと」
大地の申し出も断って、元気そうに駅へと向かっていった。
まだまだ元気そうだけど、わたしの両親も大地の両親も歳をとっていく。
医者であるわたしたちが親にしてあげられることってなんだろう、とふと考えた。