Airis 2
「ごめ…すぐ良くなるから」
さっき強がった手前、あんまり心配はかけたくなかった。
だけどそんなこと大地にはお見通しのようで。
「いいから。ここにいてもあれだから…あとちょっと歩ける?」
冷静になってみると、駐車場のど真ん中。
運良く車は通らなかったけれど、これじゃあ車からしてみればいい迷惑だ。
頷いてそっと立ち上がる。
なんとか車まで来て乗り込んだ。
「はい、水飲んで」
そう蓋の開けられたペットボトルを差し出された。
受け取ってなんとか水分を流し込む。
水を飲んでしばらく深呼吸していると、なんとか吐き気は治まった。
「…もう大丈夫」
またしても迷惑をかけてしまったことが申し訳なくて。
そっと下を向きながら謝った。