Airis 2
「……奈央さん?」
そう声をかけられたのは肉コーナーで鶏肉を物色していたとき。
パッと顔を上げるとこちらを見ているひとりの女性がいた。
「やっぱり!奈央さんだ!」
「……三嶋?」
それは会社の後輩だった。
「……こんなとこで、どうしたの?」
「今から彼氏ん家でご飯作るんです」
嬉しそうにカゴを提げて笑う。
会社にいるときよりずっと楽しそうだ。
「元気そうでよかった」
「ちょっと奈央さん、こっちの台詞ですよー」