Airis 2
何分たったか何時間経ったか。
玄関の鍵が開く音がして、湊が帰ってきた。
「ただいま………奈央?」
キッチンに座り込んだわたしに驚いたのか、カバンも置かずに寄ってきた。
「どうした?」
「……オム、ライス」
「作ってたの?」
こくん、と頷く。
「でもっ……」
ここまで言って涙が溢れてきた。
「……ごめん、ね」
考えれば考えるほど涙が止まらなくて嗚咽がでる。
「よしよし」
湊がわたしをギュッと抱きしめて背中をさすってくれる。
まるで子供みたいだ。