Airis 2
「こんな時間に起きてお喋りしてるなんてさ、学生時代に戻ったみたいだね」
眠れないのか、3時前になってもリビングにいる。
まあ中途半端に寝たらそうなるだろう。
「湊がレポートに追われてるの、こうやって見てたなあ…」
「いつの話だよ」
学生時代はもちろん同棲はしていなかったから、どちらかの家でよく泊まっていた。
医学部で膨大な課題に追われていた俺を、ひとつ上の奈央は面白そうに、でもちゃんと応援してくれていた。
「奈央、すぐ寝るからなあ」
こんな感じで俺の前で待っている奈央も、午前1時を過ぎた頃からうつらうつらしだして。
レポートが終わって顔を上げたときには、だいたい机に突っ伏して寝ていた。
「あんときみたいにコーヒー淹れてよ」
「淹れられるかなあ…」
不安そうに呟く奈央。
そっと立ち上がってキッチンに向かう。