Airis 2
大地side
「ほーら、だから言ったのに」
朝からリビングで転がっている優苗に向かいそう言った。
愛永は昨日から実家に預けている。
だから今朝はゆっくり出来るはずだったのに。
「一昨日の時点で、真鍋のところ行けって言ったよね」
「だってバタバタしてたら忘れてたんだもん」
「薬は」
「……無い」
は、と言いたくなるのを抑えて優苗に近寄る。
「ちょっと、」
「なに、音も聞かせてくれないの?」
嫌がる優苗を前に、一旦聴診器を戻した。