Airis 2
優苗side
「とりあえず今は落ち着いてるから、無理しない範囲でね」
朝、仕事前に診察をしてもらった。
昨日の夜また発作が出たから、と大地から無理やり連れて来られたのだ。
「あのくらい大したことなかったのに…」
ボソッと呟くと、耳に入ったのかパソコンに向かっていた真鍋先生が振り返った。
「大したことないはずなのに、日に日に悪化して入院になるのはどこの誰?」
「…」
「早めにしないと酷くなるから、優苗の場合」
「……だからって」
「何事もなかったらそれが一番。はい、仕事仕事」
文句は受け入れてもらえないらしい。
脱いでいた白衣を取って立ち上がる。
「そういえば…」
「ん?」
「昨日の夜、沙衣ちゃんからメールがきてたんですけど」
その言葉に、ん?と真鍋先生が眉を寄せた。