Airis 2
「くれぐれも無理はしないように」
忘れていたかと思ったのに。
最後に付け加えられた言葉に頷いた。
夕方、外来を終えようとした頃受付から電話がかかってきた。
「もしもし」
「あ……なんか優苗先生を指名された患者さんがいらしてるんですけど」
「わかった、2番にお願いします」
看護師に連れられて入ってきたのは、
「……沙衣ちゃん?」
「あ、やっぱり優苗先生の知り合いの方でしたか」
看護師が沙衣ちゃんを横にさせて、状況を報告してくれた。
「だいぶ真っ青な顔でふらふらしていたので」
「ありがとう、大地呼んでくれる?」
わかりました、と出て行った看護師を見送って沙衣ちゃんに向き直った。