Airis 2
真鍋side
「どう、調子は」
仕事終わりの夕方。
一昨日から入院している沙衣の病室を訪れた。
点滴で薬をいれているおかげが、顔色も良くベッドに座っていた。
「……暇」
入院ははじめてらしく、最初こそ大人しくしていたものの2日経つとこんな調子だ。
「本でも読んだら」
「活字は苦手なの」
とりあえず家にあった本を持ってきてやったけど、隅に積み重なっている。
「とりあえず大人しくしてないと」
「せめて歩き回れたらいいのに」
「大地が許可してないから、それはまだ無理です」
納得いかないのか、ふてくされている。
「タケルだってお医者さんじゃん」
「無理なものは無理」