Airis 2
湊side
ガチャ、と玄関が開く音がした。
時計を見ると0時をまわったところ。
ここ最近の奈央の様子からすると、だいぶ進歩したと思う。
高校の友達と言っていたから、安心して出掛けられたのかもしれない。
「……なにしてるの」
なかなかリビングに入ってこないので、玄関先へ向かった。
普段なら放っとくだろうけど、さすがに少し気になる。
「…ん、みなとー?」
「奈央、飲み過ぎ」
玄関で靴を脱ぎかけてそのまま寝そうになっている。
声と様子からして、かなり酔っ払っているのだろう。
「みーなと」
最近は飲みに行くこともなかったからか、酔っ払い奈央がなんだか懐かしい。
さすがに酔っ払いを玄関先に置いたままにはしておけないので、なんとか立たせてソファに座らせた。
「どんだけ飲んだの」
「ふふ、そんなに飲んでないよん」
なにが楽しいのか、俺の顔を見てふふふ、と笑う。