Airis 2




何度も言われた、いい旦那さんだねー、という言葉。


確かに湊がいい旦那さんであることには間違いないのだが、どこか納得できないのはなぜだろう。

特にここ、という部分があるわけでもない。


なんだかなあ、と思いながら目を瞑る。



子供に笑顔で接する湊も、家で落ち着いて話す湊もどっちも好きだ。

だからこそ違和感があるのかもしれない。


わたしが単純な人間だから、職場と家での差が素直に受け入れられないのか。



そんなことを考えていると、睡魔がふわっと襲ってきた。


ああ、水飲まないと……




ふと、湊は待っててくれたのかもしれないと思った。

わざわざわたしに水を飲ませてから出勤したのかも。


……そんなわけないか。



そんなことを思いながら、ゆっくりと意識が沈んでいった。





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