Airis 2
「久々過ぎるから嫌なの!」
「なに、どういうこと?」
それ以上は言わない、とまたテレビに向き直る。
「……帰らなかったから拗ねてるの?」
「別に……違うもん」
と言いながらも、顔にそうだと書いてあるようなもんだ。
原因が分かってよかった反面、少し複雑だ。
「仕事だから、さ」
「わかってる!……だから言いたくないんじゃん」
強気で言いながらも泣きそうな沙衣に思わずそっと抱きついた。
「タケルが悪いわけじゃないのは分かってる」
「ん、ありがと」
「だけどそう思っちゃう自分が嫌なの!」